スポーツ観戦が趣味です。だって、ドラマチックな場面に出会えることが多いから。たとえば近年では、アテネオリンピックの体操男子団体での最終演技者・富田選手とNHK刈屋アナウンサーの「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」の実況が代表的ですよね。私が11歳の頃でしたか、それはそれはドラマチックな試合がありました。それは夏の甲子園の3回戦・箕島VS星稜でした。夏休みの夕暮れ、何となくテレビでその試合を見ていました。試合は延長戦に突入しました。そのうち決着がつくだろう・・・と、私はのんびりと試合を観戦し続けました。ところが。これが、ものすごいことになったのです。先行は星稜、後攻が箕島。星稜が点を入れて「これで終わったね」と思ったら、その裏にすぐさま箕島がホームラン。そしてまた同じようなパターン。箕島またまたピンチ。2アウトで、バッターは平凡な内野フライを打ち上げました。「あーこれで完全に終・わ・り」。ところが。内野手が芝の切れ目に足をひっかけ、ボールを落としてしまったのですね。そして。箕島、ホームラン。再度同点。ここで私は子どもながらに「これはとんでもないことになった」と感じました。母親も夕食の支度を完全に忘れて、テレビに見入りました。そして、最終回の18回。ここで決着がつかなければ、再試合です。ところが私は何となく「これは星稜が負けるかも」と思ったのです。私の予感は当たり、星稜の堅田投手はフォアボールを連発し、タイムリーを打たれてサヨナラ負けをしてしまったのです。試合終了は19:55。3時間50分の死闘でした。私も母も、空腹なんて完全に忘れていました。あとで、試合後に勝った方の箕島のキャプテンが泣いていたという記事を見ました。勝った方が泣くなんて、と思いました。この激闘を制した箕島は優勝し、春夏連覇を達成しました。あんなすごい試合を、子ども時代にリアルタイムで見てしまった。このことは、私の人格形成に大きな影響を与えました。
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